ハレの日の京町家 (調査・改修提案)

商売を営んでいた町家の改修プロジェクトです。
町家は本来、沢山の家族が集まって食事を楽しむのに適した空間です。

お食い初め、節分、七夕、お月見、年越しそば、お正月、ひな祭り… 等
歳時記に沿った家族・人・町がつながるハレ日の催事場を提案します。

表屋造りの大型町家、蔵、前栽等、魅力的な空間を前の住まい手がきちんと残されていました。
このプロジェクトでは、主屋を町家本来の形式を尊重した大広間として、
奥庭は廊下で区切ることにより前栽と対比的な使えるニワを計画しました。


左手:奥ニワ・渡り廊下 右手:トオリニワ・ゲンカン・ミセニワ
オモテは伝統的なファサード(虫籠窓や出格子)に改修します。

建物の実測調査、土地の歴史を調査を通して、今に生きる町家の活用方法を模索しました。

主屋は本来の町家を活かした大広間(ハレの場)として修繕します。
一方、使うニワ(奥庭)は眺めるニワ(前栽)と対比した雰囲気になるように
蔵と主屋をつなぐ廊下で緩やかに区切ります。
通りからは、伝統を受け継ぐ町家のファサードに修繕します。
大広間(座敷)からは、前栽の奥に廊下、その奥に蔵が見えます。
沢山の家族が集って、季節を感じながら食事をします。
畳での食事が懐かしい世代と新しい世代が、思い出とこれからを語ります。
明るい奥ニワ(使うニワ)からは町家を背景に色々な体験を行います。
奥ニワには使える植栽(ナンテン、菖蒲、笹、紅葉等)を配置し、実際に食事の彩りや、七夕飾り等の季節の体験に使用します。
奥ニワとトオリニワの空間は、状況に応じて、衝立を用いてバックヤードとして使用します。

ハレの日の町家 改修工事(unbuild)
用途  :飲食店(元呉服屋)
築造年 :明治元年以前(推定)
規模  :主屋(木造2階伝統工法)、水廻り、蔵
敷地  :322 ㎡
建築面積:180㎡
延床面積:287㎡
仕上  :土壁、漆喰、畳、瓦